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更年期障害は検査だけでは診断できない

 

更年期には様々な不調が現れるものです。およそ45〜55歳前後のこの期間に、不調に悩まされない女性は全体の10%程度しかいません。つまり、全体の実に90%もの女性が、程度に差はあれど更年期に起因する不調に悩まされているということです。

 

ですが、そもそも更年期は様々な病気に罹患しやすくなってしまうもの。更年期障害と他の病気を区別するにはどうすればよいのでしょうか。それにはまず、【からだが更年期の状態であるかどうか】が目安になります。更年期に入るサインは、殆どの場合月経の不順であるとされます。

 

つまり、45〜55歳前後の期間に月経が不規則になったり、月経血の量が増減することが、更年期に入った証拠といえます。もちろん月経不順自体は閉経にむけた自然な変化ですから、心配はいりません。(ただし閉経頃は婦人科系疾患のリスクが高まるため、子宮がん検診などを積極的に受けることをおすすめします。)

 

病院では【血液検査でホルモン量を測る】ことも診断の基準になることがあります。血液検査の結果、”エストロゲン”量が低下し、”卵胞刺激ホルモン(FSH)”が増加しているとみなされれば、からだが更年期の状態にあるといえます。ただし、これだけでは「更年期障害である」という証明にはなりません。ホルモンバランスの変化は他の病気によっても引き起こされることがあるためです。

 

つまり、血液検査の他にも特徴を満たして初めて更年期障害と診断ができるのです。

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例えば、【検査をしても原因が見つからない症状がある】こと、そして【症状が複数ある】こと。この二つは更年期障害の特徴です。また、【日によって症状やつらさが違う】こともあげられます。昨日はめまいが酷いと思ったら、今日は手足がしびれる…というように、症状がめまぐるしく変化することがあります。

 

【更年期障害に多く見られる症状を強く訴える】場合も、可能性が高いといえます。からだがカッカとほてり、のぼせて汗をかく。かと思えば、手足や腰がスースーと冷える症状は、更年期女性間で度々「カースー病」と呼ばれるほど、非常に共通しやすい症状です。また、気分が異様に落ち込んだり、イライラしたりという心的症状が表れやすいことも特徴です。

 

これらのうち、二つ以上が当てはまるなど更年期障害の疑いが強い場合は、まず婦人科にかかることがおすすめです。原因が更年期障害であればその治療だけで複数の症状が消えますし、同時にリスクの高いがん検診も受けられますから、婦人科は女性の不調には必ず選択肢に入れるべき診療科目です。

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