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更年期の卵巣の腫れ
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女性の中には、ふと下腹部が膨れた感覚を覚える人がいます。腹部膨満感の原因は様々ですが、お腹の下の方であれば卵巣が大きく腫れてしまっている可能性があります。
これは卵巣腫瘍と呼ばれるもので、更年期でなくても発症する可能性はあります。ただし、更年期以降は悪性である可能性が高くなってしまうのが特徴で、注意が必要とされます。また、閉経以前は生理周期によって腫れている場合もあるので様子見になることが多いのですが、閉経後は排卵が起こることはないため、必然的に病気である可能性が高まります。
卵巣腫瘍は、主に「のう胞性腫瘍」と「充実性腫瘍」の二つにわけられます。更年期に卵巣に腫瘍があるからといって必ずしも悪性であるとは限らないのですが、硬い充実性の部分が認められる「充実性腫瘍」の場合はその85〜90%が悪性腫瘍、つまりがんであるとされます。「のう胞性腫瘍」の場合はおよそ半々といったところです。
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いずれも腫瘍が大きくなったり、がんが進行してから下腹部膨満感をはじめとした自覚症状が表れるため、早期発見がカギとなります。たとえ症状が何もなくても、更年期に入ったなら一度は疾患がないか検査を行っておく”ということは、こういった自覚症状のない悪性腫瘍や疾患が、手遅れになることを防ぐ意味もあります。
更年期においては、腫瘍が良性である場合、「のう胞性腫瘍」は大きさが7cmを超えないうちは様子をみて、それ以上の場合は腫瘍のある卵巣だけを取り除く手術を行うケースが多いようです。もし腫瘍が悪性であった場合は、原則として再発を防ぐために卵巣を両方に加え、子宮の切除も行います。
ちなみに、卵巣を両方取ると閉経した状態と同じことになり、更年期障害が起こることがあります。片方だけ取った場合はホルモン量は減らないとされますが、実際のところはこちらも更年期症状が強く出やすい傾向があるようです。いずれにせよ、卵巣に異常が見つかったなら、人一倍更年期のケアには気を配るべきでしょう。
卵巣を手術した人は病院でホルモン補充療法を勧められますから、ホルモン剤のメリットとデメリットを把握して治療を行えば、健康な女性と同様の生活を送ることが可能です。
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